中学校教員を辞めてみた話

教員を辞めて民間企業に転職した人が自分の考えを気ままに書いています。

グラウンドでの生徒指導~大人と子どものせめぎあい~

 

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僕はグラウンド競技の顧問をしていました。

部活動は子どもを大人にします。

しかし、そこまでの道のりは決して平坦ではありません。

時には厳しい言葉をぶつけなければならないこともあります。

また、こちらが失敗することもあります。

今日はグラウンドで起きたある事件についてお話します。

 

まず、僕がどんなスタンスで部活指導にあたっていたかというと、割と自分なりに一生懸命指導をしていました。練習中にもガンガン口を出し、指導するタイプです。

そう、中学生にとってはちょっとうざいタイプでしょう。

 

なぜ口うるさく言っていたのかというと、遊びのつもりでだらだら練習されるのが心底許せなかったからです。

教員はほぼサービスで部活動をみています。

そして、生徒は自分がやりたいから部活動に入部します。

そんな部活動で、好き勝手に、ちゃらちゃらと、時間を使わせるなんて・・・

僕は許すことができませんでした。

 

だから、競技の指導もガンガンするし(もちろん指導力を身に付けるための努力は最大限にします)、それ以外の生活面もできていなければガンガン言います。

荷物の整理整頓やあいさつ、時間を守ることなど、部活動を通して、少しでも成長してもらわなければ本当に何のために時間と労力を費やしているのかわからない!!

そんな思いで日々の指導にあたっていました。

本当に、うっとしかったことでしょう。

でもそれなりの信念をもって、本気で指導にあたっていたわけです。

 

ある日、ある生徒が苛立って雑なプレーをして、相手に対してけがをさせてもおかしくないプレーをしてしましました。

しかも、相手に謝ることもなく、むしろ相手を見下すような態度を見せたのです。

ここは厳しく指導しなければいけません。

強い指導にはエネルギーが必要なので、あまりやりたくありませんが、ここはしっかりと指導せねば!!

 

僕は彼に、本気で指導を始めました。

彼は最初、「俺は悪くない」と全く反省する様子がありませんでした。

僕は彼がやったプレーをひとつひとつ確認し、その時の気持ちも聞きながら話しました。

 

「こんなプレーしたやろが」

「うん。」

「それを相手がお前にしたら、お前は許せるんか」

「・・・。」

「それはほんまに必要なプレーやったんか?お前の気持ちの中にほんまに相手に対するイライラした気持ちはなかったんか?」

「・・・あった。」

「それであんなプレーになったことがいかんと言うとるんやろが」

 

みたいなやりとりをしていたのです。

話しているうちに彼もクールダウンでき、冷静に自分のプレーを振り返っています。

このままいけば、きちんと反省する機会にできそうだ。

そんなことを感じ始めたその時・・・

たぶん・・・・

出ているのです・・・

僕の右の鼻の穴から・・・・・

この時期になると垂れ流される・・・あれが・・・

 

そうなのです。僕は重度の花粉症なのです。

涙も鼻水もこの時期は止まりません。ちょっと風が強いだけで、涙と目のかきすぎで目頭が切れるほど。鼻の下は常にまっかっかです。

不思議と緊張していたり、何かに集中しているときは止まっています。

練習中はだらだらですが、指導するときにはなぜか止まっていることが多いのです。

しかし、今回はこのシリアスな熱血場面できたのです。

 

幸い、まだ完全に垂れていません。実感として穴の入り口で止まっている感覚です。

幸いにも彼も真剣に僕の話を聞いています。

さりげなくすすったら何とかなる!!!!

 

「ほなな、ずずっ、今からお前は、ずずっ、どう、ずずっ、どうしたらええか考えて、ずずっ、考えてみ」

(いける、何とかなるぞ)

 

「相手に今からでも一言謝った方が良いとおもいます・・・。」

 

「ほな行ってこい」って言おうとした瞬間・・・だーーーーーーーーーーーーー

信じられないくらいさらっさらの・・・それはもうさらっさらのやつが・・・

そうこうしているうちに、目からは涙が・・・・だーーーーーーーーーーーーー

 

それでもすごかったのは、

彼がいっさい、笑わず、そのことには触れずに、さっそうと相手に謝りに行ったことです・・・。

・・・自分・・・・そこはめっちゃ大人やん。

 

花粉症が完全に、安全に治療できる日が来ることを、心から願っています。

以上、しょうもない話でお時間をいただき、ありがとうございました。